こんにちは。
認定眼鏡士の葉月です。
測定するたび「処方交換」になる〜!
なんて悩んでいませんか?
視力検査(測定)の順番や内容は他のスタッフと同じなのに、なぜか自分だけ処方交換になってしまう。
処方交換が多くなると、お客様に不自由な思いをさせて迷惑を掛けてしまい、お店の信頼度も下がってしまうかもしれません。
ここでは、お客様の信頼を得て処方交換になりにくい視力検査の方法をご紹介します。
わたしはメガネ屋さんとして15年勤務しました。
接客を通して18万人以上のお客様と接し、多くの人の視力検査を担当してきました。
ときには止まない処方交換に悩まされ、その度に試行錯誤を繰り返したことで、「視力検査のコツ」を見いだすことができました。

<この記事を読んでほしい人>
- 処方交換が多くて悩んでいる
- 視力検査のコツを知りたい
- お客様に安心してもらいたい
利き目のテストで信頼感を与える

利き目のテストは「優位眼」を知るために重要です。
それだけでなく、欠かすことができないテストなんです。
なぜなら
- 見え方のバランスをとる基準になる
- お客様の興味関心を引く
- 説得力を高め、安心させる
見え方のバランスをとる基準になる
人は利き目で7割〜8割ものを見ていると言われています。
メガネを作るときには、その利き目をやや見やすくすれば違和感が少なく快適なメガネをつくる重要なポイントとなります。
そして、見え方のバランスをとるためにも大切な基準となります。
・・と、これは基本だね♪
興味関心を引き、説得力を高める
ところが、検査の時間短縮のためなど検査担当者によってはこの「利き目のテスト」を省いてしまう人も少なくありません。
ですが「利き目のテスト」を省いてしまうとお客様に不信感を与えてしまうかもしれません。
なぜなら・・
長年メガネを掛けメガネ店を利用してきたお客様なら、ご自分の「利き目」がどちらなのか、また「利き目のテスト」の存在をご存知の方も沢山いらっしゃいます。
あれ?なぜ「利き目のテスト」をしないんだろう・・。
前に担当してくれた人は「利き目」が大切って言ってたのに・・。
この担当者は「利き目のテスト」知らないのかな・・。
なんて不安を与えてしまうかもしれません。
実際にわたしが担当したお客様の中には、「利き目のテスト」をしたあとにご自分から話を切り出してくれる方が多くいらっしゃいました。
そうそう、ボクの利き目は右目なんだよ!
前にもテストしてもらったから覚えているよ!
「利き目のテスト」を知らないお客様には興味関心を引きつけ、知っているお客様には安心感を与えます。
信頼感や説得力を高めてくれるので、その後の検査をスムーズに行うきっかけになるはずです。
検査序盤で行うのがポイントです!
乱視があるなら事実を伝える

ここでの要点は「お客様に乱視の存在を知ってもらう」ことにあります。
毎日のようにAR(オートレフ)を覗き込んでいるメガネ屋さんならご存知だと思いますが、ほぼ全ての人に乱視が存在します。
メガネで乱視の矯正をするか、しないか、に関わらず「C-0.50以上」の乱視値があるお客様には、その存在を知ってもうのが良いと考えています。
なぜなら、次のようなメリットがあるからです。
【メリット】
- 事実を伝えることで誠実さ、信頼度がアップ
- リピーターになってもらえる可能性が高まる
- 使用時の不安を取り除くことができる
私の経験ですが、お客様に乱視の数値が出たとしてもメガネで矯正することがなければ伝える必要がないと考えているスタッフが多いようです。
・・というより、伝えたがらないという印象です。
それには「お客様に過度な心配を与えない」などの意見があるのは知っています。
ですが乱視についても「利き目のテスト」と同じで、自分で自覚されているお客様にとっては”見落とし”と思われてしまうかもしれません。
そうなってしまうと「あえて伝えない」配慮が、「乱視に気づいていない未熟者」という水の泡になってしまいます。
そうならないように「あえて伝えない」から「あえて伝える」に変えましょう!
たまに・・
えっ!初めて言われたんですけど!!
と驚かれてしまうこともありますが、焦らずにフォローしてあげればOKです。
心配しないでください。
矯正する程ではありません♪
もしテレビの字幕がかすんでしまうようになったら、矯正すれば快適に見えるようになりますよ!
このようにフォローすれば、お客様に過度な心配をかけることはありません。
またそれは、新しいメガネを掛けているときに遠くの字がかすんでしまったとしても、お客様に不安を与えないことに繋がります。
それだけでなく“まだ矯正する術を持っている”というアピールができます。
字が少しかすむけど、これは乱視の影響ね。
でも矯正する程じゃないって言ってたわね♪
お客様に対して事実を伝えつつ、心配を掛けない確実なフォローを行うことで誠実感・信頼度を高めます。
そしてお客様に「次もこの人に担当してもらいたい!」と思ってもらうことができます。
そのためには何を聞かれても切り替えすことができるトークを用意しておきましょう!
最後にレッド・グリーンテスト

測定の手順では必ず序盤に行うレッド・グリーンテストですが、もう一度、検査の最後に仮枠にて行いましょう!
その理由は、
目に負担がかかっていないことを知ってもらうため
これはお客様の多くがこのように考えているからです。
「目がツライ = 度が強い = 目に悪い」
たとえ、お客様の要望通りの視力に合わせたとしても、
たとえ、お持ちのメガネから一段階(0.25)しかアップしていなかったとしてもです。
どんなに念入りに説明しても、それがお客様の心に引っかからない内容ならお客様は忘れてしまいます。
また心理的にもお客様の印象に残りやすいのは「最初と最後」です。
なのでお客様の記憶に刻むために、検査の最後にこのレッド・グリーンテストを行います。
通常なら過矯正を避けるため、近視の矯正ではレッド、遠視の矯正ではグリーンが見える矯正にしているはずです。
【手順】
- 最後に仮枠のままレッド・グリーンを見てもらう
- レッド(※近視の場合)であることを確認する
- 補足説明を行って測定終了
レッドが強く見えていましたよね。
それは「目に負担がかかっていない」という証拠です。
新しいメガネに慣れるまではツライときもあると思います。
そんなときは掛け外しを繰り返しながら、少しずつ慣れてみて下さい。
この説明をしておくことで、「目に悪影響がない」ということを印象付けることができます。
そうすればお客様がメガネに慣れていない段階でツラさを感じたとしても、不安を和らげることができます。
「目に負担はない」って言ってたし、少しずつ慣れるとするか♪
視力検査の最後にこれをすることで、処方交換の可能性を大幅に下げることができます。
なぜなら検査の中でもお客様の記憶に残りやすい”一番最後”に伝えるからです。
まとめ
ここでは「メガネ屋さんのための視力検査の方法」を3つご紹介しました。
- 利き目のテストは必ず行う
- 乱視があるなら事実を伝えてフォローもしよう
- 最後にレッド・グリーンテストで安心感を与えよう!
視力検査では「お客様にどれだけ信頼感を与えて安心してもらえるか」がカギとなります。
それは単に自分の外見によるものではなく、接客技術として培うことができます。
- お客様にリラックスしてもらえる雰囲気作り
- お客様に信頼される知識・技術力
- お客様に安心感を与える話し方
お客様の表情をみて、会話をしながら、お客様と真摯に向き合いながら検査を積み重ねれば身についてきます。
どうすればお客様に満足してもらえるか?
常にそれを考えながら視力検査を行えば、処方交換が少なく素晴らしい検査技術が身につくはずです。
スタッフ同士でロープレするのがいいよ!